1周年関連のイベントで盛り上がる『プロメア』の非常に特徴的な要素として「色彩設計」がある。
カートゥーンアニメのようなポップでハイトーンなカラーリングを基調とした色彩がとても印象的だったプロメアだが、この色遣いに関わりがあるのが『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』である。
本作は、プロメアの監督である今石洋之氏が監督を務め、2010年に放映されたGAINAX製作のテレビアニメであり、今石監督を始め、ダーリン・イン・ザ・フランキスの監督を務めたことが記憶に新しい錦織敦史氏など、2007年の「グレンラガン」の制作スタッフが多く参加している。
カートゥーン調で描かれ、ビビッドな配色、下品な内容、攻めた演出(実写シーン等)、ハイクオリティなBGM・劇中歌が印象的で、今でもファンが多く二期を望む声も多い本作。通称『パンスト』
(※2022年突如2期が決定した。2022/7/3追記。)
プロメアのとパンストの関係について今石監督はこう話す。
「グレンラガン」のあとに僕が監督をやった「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」というカートゥーン寄りのアニメ作品で、かなり攻めた色遣いに挑戦して、そのとき成功した部分を「グレンラガン」「キルラキル」みたいな世界観の作品の中にうまくはめ込めないかというのを今回試しているんです。情報過多な、いわゆる暑苦しい物語にそういう表現を乗っけて、逆に見やすくなったり、新しくなったりするんじゃないかという狙いがあって。
https://natalie.mu/comic/pp/promare-movie02/page/2
今石監督作品では『DEAD LEAVES』の系譜で酷い下ネタが多いパンストだが、こうしたところで(健全な)最新作と関わってくるのは感慨深い…
ちなみに、パンストは各話のタイトルが有名な映画のパロディになっており、内容も(非常〜に薄く)元ネタを踏襲したものになっている。
例えば、第1、2話は以下のようなタイトルで
それぞれ『仁義なき戦い』『デス・レース2000年』のパロディで、タイトルバックも元ネタを踏襲していて面白い。
以下、各話のパロディ元をまとめたので、興味のある方は参照を。
話数 | タイトル | 元ネタ |
1話 | 仁義なき排泄 | 仁義なき戦い |
2話 | デスレース2010 | デス・レース2000年 |
3話 | ミツバチのざわめき | ミツバチのささやき |
4話 | セックス・アンド・ザ・ダテンシティ | セックス・アンド・ザ・シティ |
5話 | キャットファイト・クラブ | ファイト・クラブ |
6話 | パルプ・アディクション | パルプ・フィクション |
7話 | ダイエット・シンドローム | チャイナ・シンドローム |
8話 | ハイスクール・ヌーディカル | ハイスクール・ミュージカル |
9話 | ハナムプトラ | ハムナプトラ |
10話 | ヴォミッティング・ポイント | バニシング・ポイント |
11話 | 悪魔のような女たち | 悪魔のような女 |
12話 | トランスホーム | トランスフォーマー |
13話 | 現金に裸体を張れ | 現金(ゲンナマ)に体を張れ |
14話 | ・・・オブ・ザ・デッド | ドーン・オブ・ザ・デッド |
15話 | 1匹の怒れるゴースト | 十二人の怒れる男 |
16話 | 天使が水着にきがえたら | 彼女が水着にきがえたら |
17話 | ゴースト~ダテンシティの幻~ | ゴースト/ニューヨークの幻 |
18話 | インナーブリーフ | インナースペース |
19話 | チャック・トゥ・ザ・フューチャー | バック・トゥ・ザ・フューチャー |
20話 | チャック・トゥ・ザ・フューチャー Part 2 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 |
21話 | チャック・トゥ・ザ・フューチャー Part 3 | バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 |
22話 | HELP! 二人はエンジェル | HELP! 4人はアイドル |
23話 | ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ガーターベルト | ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ |
24話 | ナッシング・トゥ・ルーム | ナッシング・トゥ・ルーズ |
25話 | D.C.コンフィデンシャル | L.A.コンフィデンシャル |
26話 | パンティ+ブリーフ | ロミオ+ジュリエット |
27話 | ビッチガールズ | バッドボーイズ |
28話 | ビッチガールズ2ビッチ | バッドボーイズ2バッド |
また、22話「HELP! 二人はエンジェル」では劇中で「t.A.T.u」や「レディー・ガガ」、「マリリン・マンソン」、「ゴリラズ」などミュージシャンのパロディが怒涛のように押し寄せ目が離せない。
全28話だが1話あたり10分程度で、1回の放送あたり2~4話が収録され、実質全13話のアニメと言えるため非常に気軽に観られる本作。
既に視聴済みの方も、パロディ元や色彩に注目して改めて観ても楽しめるだろう。
2020年5月30日現在、dアニメストアやU-NEXTにて配信中のため、ぜひこの機会に観てみてはいかがだろうか。
グレンラガン10周年の2017年には特別展示等のイベントも併せて開催されたが、パンスト10周年の今年2020年にも何か動きがあることに期待しよう。
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