バカ作画の名作『トランスフォーマー ザ・ムービー』を見ろッ!見れない! なんとかして! /マシーナリーとも子映画コラム

映画はともかくオモチャは出続けている『トランスフォーマー』

 「新作の監督はスティーブン・ケイプル・Jr.!」とか「次の映画はユニバース刷新です。あとビーストウォーズの映画も作るよ!」とか、何かしら手は動かしてるんだなという情報は常に流れてくるも、なかなか『バンブルビー』以降の具体的な形が見えてこない映画『トランスフォーマー』シリーズ。マイケル・ベイにのうをはかいされた私としては「いいからとっとと『最後の騎士王』の続きを見せてくれよ……」としか考えられないのだが、それはそれとしてトランスフォーマーのおもちゃはほぼ毎月新製品が出ている。

たっ、助けてくれ~! というくらい新商品は出続けている。さらに日本でのタカラトミー発売品のほか、本国アメリカ・ハスブロのものを買う(リリース順や価格が違う)、タカラトミー直販限定、米国の店舗限定、さらにはアジアなど一部地域限定商品など無限かよというくらい流通ルートがあり、しかもそれらもインターネットを駆使すれば割と買えたりするのでおもちゃオタクは毎月「許してくれ」と言いながらトランスフォーマーを買っている

 私もトランスフォーマーの全おもちゃを買うほどはハマっていないのだが、それでも月2~3体くらいを購入してしまい、完全に飾る場所がなくて「助けてくれ~~!」と叫んだりする毎日を送っています。

10月はこの3体を買いました。助けて!

 トランスフォーマーのおもちゃラインは現在めちゃめちゃざっくり分けて3つある。比較的低年齢層向けの現行アニメをモチーフとしたシリーズ……現在は『サイバーバース』というシリーズが展開中(なんだけど日本での展開は終わりました)。そして過去の作品のキャラクターのリメイクや、アメコミ版をモチーフとした商品がラインナップされる『ジェネレーションズ』。こちらは比較的高めの年齢層をターゲットにしていて、現在は「ウォー・フォー・サイバトロントリロジー』が展開中。NETFLIXでアニメも配信されている。

NETFLIXで配信中の『ウォー・フォー・サイバトロントリロジー』。お話は超シリアス展開。有能なオプティマスの副官、ウルトラマグナスが一生えっちな虐待を受けてしまうというロボフェチ垂涎の展開もある

 そして3つめが映画版をモチーフとしたシリーズで、こちらは過去作品のリメイクも盛り込んだ『スタジオシリーズ』というブランドが現在主流となっている。
 ほかにも『ゴーストバスターズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』といった名作映画とのコラボレーション商品や、コストに糸目をつけず豪華な仕様を盛り込んだ『マスターピース』シリーズなどもあることはあるんだが、とりあえず超おおまかに3つのラインがあると理解されたい。そういうことにしておいてください。

トランスフォーマーの映画は実写だけじゃないぜ

 ところでトランスフォーマーの映画といえば実写映画版も大好きだが、やっぱ1986年公開の『トランスフォーマー ザ・ムービー』も外せない。初代『トランスフォーマー』の続編であり、さらに次作となる『トランスフォーマー2010』へとつながっていく本作。当時の日本では諸事情により公開されず、その補完としてファミコンゲーム『コンボイの謎』が発売されたりしたのだが、そのへんのアレコレはググればいくらでも出てくるのでほかで読んでください。本稿では省く。ほかで読め。

30周年Blu-rayのトレーラー。20秒あたりのシーンとか顕著ですが作画は狂っています。

 アメリカで『トランスフォーマー』が流行りすぎて地獄の様相を呈しているなか作られた本作。制作を担当した東映アニメーションにはアメリカから40億円もの莫大な予算が用意され、「使い切れないわこんな大金……」と半額返金したなんて噂もあります。ほんとかよ!? このあたりの熱狂っぷりはNETFLIX『ボクらを作ったオモチャたち』でも語られているのでそちらもぜひ見てくれ。なんかNETFLIXの話ばっかりしてるな。

 で、この映画なんだけどバカ予算のおかげなのかなんなのかとにかく作画のクオリティが狂ってる。初代『トランスフォーマー』のアニメといえば思わず「バカ!!!!」と叫んでしまうような作画ミスも有名だけど、この映画は逆にすごすぎて「バカ!!!!」と叫んでしまうようなアホ動画がガンガン出てくる。

メガトロンと決着をつける決意を固めたオプティマス・プライムa.k.a.コンボイが単身突入してトラックモードでの轢殺からの空中戦をキメるシーンはあまりにもカッコよすぎてロボットアニメカッコいいシーン最強トーナメントベスト4常連メンバーとなっています。静止画じゃわかんねーから見ろ。
本作のボスキャラである星帝ユニクロンの変形シーンは壮大でありつつあまりに細かいところがガチャガチャ動きすぎてて「これすごすぎて死人出てねーかな」って心配になるレベル。だって手描きだぜこの時代

 さらにこの映画はミュージックビデオ的な顔も持っており、劇中やたらとカッコいい歌がやたらとカッコいい作画とともに流れて我々の脳をトランスフォームさせていく。とくにコンボイ無双シーンとクライマックスで2回流れるスタン・ブッシュの「The Touch」は一度聞いた人間の脳を完全にハックし、イントロを聞いただけで涙を流させる名曲中の名曲。これらの楽曲はSpotifyでも聞けるので聞きなさい。名曲すぎて映画『バンブルビー』でも流れた。

配信してくれザ・ムービー

 と、まあとにかく金がかかっていて、作画がスゴくて、展開も楽曲もクールでなんといっても『トランスフォーマー』の世界に大きく広がりを持たせて30年超生きながらえる作品へと成長させた『ザ・ムービー』。日本でも当時は公開されなかったもののその後きっちり吹き替えされたものがVHSやLD、DVDとして発売され愛されている。
 ……が!!! なぜかDVD以降なにも出てないんだよこいつが! Blu-ray版が出てないの! アメリカでは20ドルくらいで買えるのに!! 日本のAmazonでも米国版を輸入したものが2000円~程度で買えちゃうけど当然日本語吹き替えは入ってない。違うの! ピーター・カレンのオプティマスじゃなくて玄田哲章のコンボイの声が聞きたいんだよ~~。いや米国版のオプティマスもめちゃめちゃカッコいいんだけどさ……。

 で、最近日本のトランスフォーマーはすごく配信に力を入れていて割と定期的にYouTubeで初代アニメとか『ビーストウォーズ』を流してくれるし、dアニメなんかでは歴代トランスフォーマーアニメがほとんど見られたりする。

本稿執筆時点、2020年11月現在でのdアニメストア・トランスフォーマーシリーズのラインナップ。『ヘッドマスターズ』以降のいわゆる和製TFや、マイクロン3部作まである! 

 でも『ザ・ムービー』は見られない!! 何故!?
 しかもそれでいて、いまオモチャの『スタジオシリーズ』では『ザ・ムービー』関連の展開がスタートしてるんだよ!!

 先述のとおり『スタジオシリーズ』はトランスフォーマーの映画版をモチーフにしたシリーズなんだが、「よく考えたらザ・ムービーも映画じゃん」みたいなノリで実写版のメンツに突然『ザ・ムービー』の連中を並べ始めたんだッ! いや、それはいい。むしろ歓迎だ。私も映画版のデザインそのまんまのロディマスプライムは欲しすぎる。思いついてくれた人類ありがとうと言いたい。そしてアメリカ・ハスブロのそうした動きにはなんの不満もない。
 なんとかしてほしいのは日本のタカラトミー、君だよ! 君はなんとも思わんのか。平然と「ザ・ムービーのキャラクターが出ます!」と言っているが君、いまの日本では『ザ・ムービー』を気軽に見られる手段が存在しないじゃないかッ!!!!

メルカリ、ヤフオク、amazonの様子。タカラトミーくん見てるか!?

 つまりこの記事を通して私が言いたいことは「ザ・ムービーのストリーミング配信をしてくれッッッ」ってことなんだよ!!!!
 『ザ・ムービー』はすごい映画だ。めちゃめちゃおもしろくて、かっこよくて、手間がかかりすぎててすごすぎる。そしてその映画の新しいおもちゃが出る。こんなにうれしいことはない。でもその元ネタが見られないってのは悲しすぎるじゃないか。字幕版すら無いんだぞ! こんな状態でおもちゃを日本で売ったって新しい顧客がつかないじゃないか。いやトランスフォーマーのおもちゃなんか買うやつは元ネタなんか知らなくても買うけどさ。買うけど、それはそれとして『ザ・ムービー』を日本で見やすいようにしてくれよ。せっかくオモチャ売るんだからさ。頼むぜ。なっ! よろしく。

ABOUT US

マシーナリーとも子
『アイドルマスターシンデレラガールズ』の池袋晶葉ちゃんを愛する殺人サイボーグVTuber。暴力が出る映画は好きだけどグロいのと怖いのはイヤな繊細さを持つ。2019年いちばん興奮した映画は『仮面ライダージオウOverQuatzer』。いま一番BD化してほしい映画はチャウ・シンチーの『食神』

カテゴリー