第34回東京国際映画祭にて『漁港の肉子ちゃん』の上映&トークショーを実施
11月7日、第34回東京国際映画祭の「ジャパニーズ・アニメーション」部門として、角川シネマ有楽町でアニメ映画『漁港の肉子ちゃん』が上映され、渡辺歩監督とマリア役を演じた石井いづみが登壇するトークショーが行われた。
本作は西加奈子の原作小説を明石家さんまがプロデュースしたことでも知られており、訳アリな母子が繰り広げるハートフル・コメディな内容が見どころだ。主人公の肉子ちゃんを大竹しのぶ、その娘・キクコをCocomiが演じ、石井いづみはキクコの同級生・マリアを演じている。


石井いづみはオーディションでマリア役に抜擢されたが、その経緯について渡辺監督は「さんまさんが原作者の西さんに映像化のお願いをしたのですが、西さんは『この作品を、新しい才能に光を当てるために役立ててほしい』とおっしゃっていました」と明かす。監督は素敵な課題を受け取ったと話し、マリア役のオーディションをはじめ、制作現場でも初めてのセクションに挑戦するスタッフがいたことを語った。
一方、オーディションに挑んだ石井はテープを送る際に注意したことに「棒読みにならないよう、気持ちがちゃんと伝わるように頑張りました」と話す。また本作を知ったときの印象については「不思議な感じがして、観てない方のために詳しく言えないんですけど…優しくて良い話だと思いました」と、ネタバレに配慮しながらも丁寧に答えた。


そんな石井が演じたマリアはキクコの同級生であり、根は優しいけどちょっと意地悪なキャラクターだ。渡辺監督はマリアの出番が少ないながらも「際立つ声だといいなと思って(オーディションを)行いました」とコメント。また石井は作中の方言などに苦戦しながらも頑張って演じることができたと振り返り、特に好きなシーンについて聞かれると「(同級生男子の)『二宮が気になる~ん?』ってキクコをからかうシーンが好きです」と明かした。
また本作の企画・プロデュースを行った明石家さんまについての質問もあり、渡辺監督は「シナリオやコンテチェック、ほとんどのキャラクターの収録にも携わり、多彩なアレンジを加えてくれました」と振り返る。プロデューサーというよりディレクションに近い立場だったようで「そういう意味ではさんまさんの純度が高い作品だと、自信を持って言えます」と語った。


石井は生で明石家さんまを見たことについて感想を聞かれると「テレビと変わらなく、優しい人だなあと思いました」と話し、「鼻歌を入れて」などさんまから直接アドバイスを受けたことも明かした。
第34回東京国際映画祭は10月30日〜11月8日まで、日比谷、有楽町、銀座地区で開催された。
『漁港の肉子ちゃん』


【企画・プロデュース】
明石家さんま×
【原作】
直木賞受賞作家・西加奈子 「サラバ!」 「さくら」
【アニメーション制作】
STUDIO4℃ 『映画 えんとつ町のプペル』『海獣の子供』
食いしん坊で能天気な肉子ちゃんは、情に厚くて惚れっぽいから、すぐ男にだまされる。 一方、クールでしっかり者、11歳のキクコは、そんな母・肉子ちゃんが最近ちょっと恥ずかしい。
そんな共通点なし、漁港の船に住む訳あり母娘の秘密が明らかになるとき、二人に最高の奇跡が訪れる――! 声の出演: 大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹、中村育二、石井いづみ、山西惇、八十田勇一、下野紘、マツコ・デラックス、吉岡里帆 ほか
▼公式サイト https://29kochanmovie.com
▼公式twitter https://twitter.com/29kochanmovie
▼公式Instagram https://www.instagram.com/29kochanmov…
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