ベイビー・ドライバーには元ネタがある?映画監督も関わる傑作MV紹介

2020年6月24日に横浜駅直結の映画館とし「T・ジョイ横浜」がオープンします。
そこで、神奈川県初導入のドルビーシネマのオープニング作品として、エドガー・ライト監督の傑作『ベイビー・ドライバー』の上映が決定!7月3日からは全国のドルビーシネマでも上映されることになりました。

音楽を聴くことで集中力を高め(耳鳴りを打ち消して)、華麗なドライビングテクニックを発揮する天才ドライバー「ベイビー」の姿を描いた本作は音楽とカーチェイスを組み合わせたスタイリッシュな映像が印象的で、ミュージカル的な要素も含まれる非常に面白い作品なので、ぜひこの機会にご鑑賞ください。

劇中でキャラクターが聴いている音楽とアクションをシンクロさせる手法は2003年に公開されたMint Royale/『Blue Song』のMVでエドガーライト監督自身が使用しており、『ベイビー・ドライバー』冒頭部分の構想に強く反映されています。

ストーリーや設定を短い時間で映像表現で伝えなければならないMV(Music Video)、『Blue Song』のようにシネマティックな作品も多く、またMV出身の映画監督も少なくありません。そこで、今回はいくつかのクールなMVをご紹介いたします。

Nine Inch Nails – Only

『セブン』や『ファイト・クラブ』で知られる「デヴィッド・フィンチャー」による本作。
金属の棒が前後に動きビジュアルを表現する謎の装置によって描かれる人の顔の不気味さはフィンチャーらしさを感じます。
もともとMV畑の人間でマドンナやエアロスミス、ローリング・ストーンズなどのMVも手がけていたフィンチャーは映画でもオープニングやタイトルバックのかっこ良さが群を抜いているので、興味を持った方は意識して観ていただければ幸いです。

Taylor Swift – Bad Blood ft. Kendrick Lamar

「トルク」や「ブラッディスクール」などの映画も監督していますが、映画よりもブリトニー・スピアーズ、エミネムなどのMVで知られている「ジョセフ・カーン」による本作。
アクション映画の予告編のような映像で、どこかで見たことのあるような「映画っぽいシーン」が多々見受けられます。
大作映画のような豪華な出演者も話題になりました。
ジョセフ・カーン監督は、U2、ジャネット・ジャクソン、マライア・キャリー、レディー・ガガなどの多くの世界的ポップスターのMVを監督していますが、少し意外なところとして、AKB48『ギンガムチェック』のMVも監督していますので、改めて観てみてはいかがでしょうか。

chelmico – 「Easy Breezy」

アニメ『映像研には手を出すな!』のOPテーマソングの「Easy Breezy」ですが、MVのクオリティもすごい!3DCGを多用した個性的な映像表現が印象的な本作はきゃりーぱみゅぱみゅやくるり、RIP SLYMEのMVを手掛けたことで知られる「田向潤」監督作。
きゃりーの『きらきらキラー』等と同様に派手でカオスな本作、演出の発想も表現方法も凄まじく初見時には圧倒されます。
田向潤監督作品に「ねごと」の『アンモナイト! / 黄昏のラプソディ』があり、こちらは両A面でリリースされた楽曲で1つのMVを構成している非常に珍しい形式をとっており、特に前半『アンモナイト』部分では田向潤監督らしさを感じる独特な雰囲気を纏っています。対照的に後半『黄昏のラプソディ』部分では落ち着いた雰囲気ながらも鏡を使った演出はどこか不気味さを感じさせます。

独特なMVを生み出し続ける、田向潤監督作品には今後も要注目です。

石野卓球 -『Polynasia』

いくつか、素敵なMVを紹介させていただきましたが、今回特にお伝えしたかったのが…
石野卓球 の『Polynasia』!!
電気グルーヴ関連のMVは総じてクオリティが高く映像作品としてとても面白いのですが、『Polynasia』はガスが漏れ、爆発するまでのとある家庭内の様子を描き、爆発の要因になるようないくつかのものがフィーチャーされることで緊張感が煽られる、まるでファイナル・デスティネーションのような構成の映像を卓球氏の軽快な音楽に合わせることでコミカルさも演出している非常に面白い映像作品です。

©︎2000 Sony Music Entertainment(Japan)Inc.

田中秀幸監督作品で、田中秀幸氏は『ウゴウゴルーガ』や『OH!スーパーミルクチャン』など独特な作品のデザインで知られており、電気グルーヴ『Fake It!』のMVでは、第13回(2009年)文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞しています。

映像作品集として最初にリリースされた「ノモビデオ」には『Polynasia』をはじめとしたユニークなMVが収録されているので特におすすめです。

©︎2000 Sony Music Entertainment(Japan)Inc.

ノモビデオには「ピエール瀧の体操30歳」も収録されており、貴重な綾波レイのコスプレをしているピエール瀧を見ることができるので、ぜひ手に入れてお楽しみいただきたい作品集です。

本日からサブスクでの配信も再開した「電気グルーヴ」ぜひ音楽と共に映像もお楽しみください!

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