初めまして、今回作品PRをさせて頂くホラー映画紹介Vtuberのミミカ・モーフと申します。
今回、カリコレ2022(カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクション2022)という映画フェスでの新作映画を紹介させて頂けるという事でカリコレに関しては私も個人的に足を運ぶほど大好きな映画フェスでホラー映画も多く、Vtuberとして活動を始めてホラー映画関係の活動を通し、こういったお話を頂けるという事は純粋にとても嬉しく有難いお話でした。
しかも映画の内容から是非とも私にお願いしたいという熱いオファーを頂き活動者冥利に尽きると心踊りつつ映画タイトルを確認した所、そのタイトルは『キャット・シック・ブルース』。
キャット・シック・ブルース作品紹介
なんだか珍妙な覆面猫男が描かれている。どんな映画なのか…?
バットマンのキャットウーマン的な作品なのか?それとも覆面殺人鬼が猫の怨みで人を惨殺する作品なのか?様々想像した。
とりあえず作品を拝見すればどの様な作品なのかは分かるはず、百聞は一見にしかずである。という事でさっそく視聴を開始する事に…。
<あらすじ>
愛猫を失い、精神を病んでしまった男性テッドがその精神状態の中、九人の人間の魂を捧げる事により愛猫を生き返らせられると信じ込んで愛猫を生き返らせる為、猫のマスクと爪と猫チンコを身に着け「キャットマン」に変身し人を襲うという…。
なんともぶっ飛んだ内容の映画だった。
これが内容的に私に是非ともお願いしたい作品なのかと思うと世間からの私の印象がどういったものかを推し量るに、もしかしたら活動方針を見直した方がいいのでは?と感じてしまった。それほどまでにとんでもない映画であった。
それはさておき、とりあえずまずは多くの映画ファンの為にネタバレになっても伝えたい点がある。そう動物の生死である。
人にはどんな酷い事が起きても良いが動物はダメだという映画ファンが少なくない為、これは初めに伝えなければならない。
この映画は猫が死ぬ、猫が殺される描写がある。しかもかなり胸糞な殺され方をする。
白状ながらも作品の中で動物が死んでもそれは表現のひとつと割り切り心に傷を負うことの少ない私ですら怒りが湧くほどには嫌な殺され方をする。この時点できついと言う方には今作はお勧め出来ない。
徹底的に不幸なヒロインとキャットマン
ヒロインは動画投稿サイトに自分の愛猫の可愛い動画を投稿しそれで収入を得ており最近は動画の人気が落ち始め悩んでいた所、自宅に挙動不審な男が尋ねてくる。この男は彼女の動画のファンで、なんと住所を特定しリア凸を仕掛けてきた厄介ファンだった。
最初は警戒していたが厄介ファンでも猫への純粋な愛でここまで来たのだと信じたヒロインはファンに愛猫を会わせてあげることに、なんなら猫を抱かせてあげるサービスっぷり。しかしそれが悲劇の始まりだった。
厄介ファンはいつまでも猫を離さず怒りを覚えたヒロインは無理やり猫を取り返そうと揉み合いになり、なんと厄介ファンは愛猫の首をへし折ってしまう。しかもその死体を窓からポイ捨て。錯乱するヒロインに対し厄介ファンはそのままヒロインを押し倒し強姦した後、逃亡。しかも事故ではあるがこの強姦の瞬間が撮影されておりそれがネットに流出してしまう。
愛猫は殺され、顔バレと共に自分が犯される様が全世界に流れてしまい、これ以上の悲劇があるのかと問いたくなるほどのどん底に陥る。そこから傷心のヒロインと件のキャットマンことテッドがペットロスカウンセリングの会合で出会い、物語が進んでいく。彼女の悲劇はキャットマンとの出会いでまだまだ続いて行くことになる。
猫マスク!猫爪!猫チンコ!
本当に序盤から最悪な展開なのだがこの映画の注目ポイントはこれだけでは無い。なんと言ってもこのキャットマンのビジュアルは注目したい見所の一つとなっている。
玩具の黒猫の被り物にフレディーを彷彿とさせる爪が取り付けられた手袋、そして丈のあっていない赤い服とその隙間から除く中年男性のプニ腹、そして猫チンコ。
基本的に覆面ヴィランの衣装にしては安っぽくヴィランというより変態の装いで愛猫の蘇生という目的を考えても、鑑賞初期ではこの格好をする意図は不明なのだがそこは作品を見ていけば紐解ける部分で彼の愛猫に対しての強い愛情と執着がこの格好には現れており、それを想像すると少し胸が苦しくなる為、ただのふざけた格好では無い。
そう…キャットマンはただの変態ではなく悲しき変態、悲しき獣の装いをした一途に愛猫を生き返らせたい変態なのだ。しかし彼を変態としか見えなくしている問題点がある。それが猫チンコだ。
猫チンコを装着する事には全く共感できない。意味が分からない、本当に必要か!?猫チンコ???
バカ真面目に猫チンコの制作オーダーをするシーンがあるのだが作る人も困ってるぞ!なんだ棘の生えたチンコって!?私もそこまで詳しくないが猫のチンコはそんなトゲは生えてないはずだ!お前の愛猫の逸物はそんな見た目だったのか?
しかもキャットマンが動く度に猫チンコもぶるんぶるんするしその装備ひとつで悲しみや執着が一変してただの変態になってるぞ!狂っている…。
なんなら猫チンコさえなければまだチープなだけで恐ろしい怪人だったのに…。なぜ猫チンコを着けたのか…もしこの映画を観て、その理由を考察した方は私までその理由を是非教えて頂きたい。
ペットロスの悲哀を描く怪作
そんな今作は初見のチープな印象などからおふざけホラー映画的な展開を予想する方もいるかと思う。私も初めはその一人だった。
しかし今作は非常に辛く悲しい作品となっておりヘンテコ猫マスクのキャットマンのビジュアルすら彼の背景を想像すると恐ろしく、気色悪いがどこか物悲しさがあり、恐らく初見の印象と見終わった後だとこのキャットマンへ抱く感情はまた変わっているのではないだろうか。
先に述べたように小動物が死ぬ作品が辛い方にはお勧めできないし最近愛する家族である飼い猫とお別れをした方には絶対に鑑賞をおすすめできない。やめておいた方が良い作品なのは間違いないがそれと同時に今作にはペットを失った事に対し受け入れられず行き場のない感情のリアルな苦しみが鮮明に描かれている。
描写は残酷で目を背けたくなるものの、同時に制作陣のペットに対する愛も存在していると私は感じた。
その為、作品を通して愛してやまないペットがいる方にこそ、この作品のメッセージが強く刺さるとも思うので前提として忠告はしたものの、その上でこの作品の強い想いに少しでも興味を持った方は是非ご覧になって頂きたい。
いつか来る避けられない別れの時に歪まず正しく愛する家族と別れる為にもこの作品は皆様に何か大切な事を教えてくれるかもしれない。
手放しで猫好きにお勧め出来ないが猫好きにこそ刺さる作品として大切なものを失った事による人間の狂気を描いている。
また緻密に計画し殺人を行う殺人鬼よりも杜撰な衝動で動く殺人鬼が好きな方にはキャットマンは恐ろしさとどこか可愛さが共存する良い殺人鬼なのかも知れない。
失う事の辛さ、行き場のない怒り、そして盲信してでも取り戻したいという執着、スプラッターとセクシャルが混在するカオスの中にある悲壮感が鑑賞後にはどこか心にぽっかりと穴を空ける寂しさが残る作品となっている。
確かに愚かながらどこか自身の愚かさに気付きつつも止まることのできない人間らしさと確実にいつかお別れが来てしまうペットとのその時を考えさせる作品としてある意味ここまでペットへの愛に溢れたホラー映画も珍しく、見た目とは裏腹に非常に真剣に作られた映画と言えるかもしれない。猫チンコを除いて
カリコレ®2022開催概要、『キャット・シック・ブルース』公開スケジュール
新宿のミニシアター、シネマカリテが贈る真夏の祭典!「カリコレ®2022」が今年も7月15日(金) – 8月11日(木・祝)の4週間開催!
公式サイト
https://qualite.musashino-k.jp/quali-colle2022/index.html
『キャット・シック・ブルース』公開スケジュール
[新宿シネマカリテ]7/20(水) 20:55〜
7/24(日) 20:40〜
7/25(月) 15:20〜
8/ 2(火) 12:55〜
8/10(水) 18:00〜
オンライン予約ページ
https://www1.musashino-ticket.jp/qualite/schedule/index.php
※チケットは鑑賞日の2日前よりネット予約および劇場チケットカウンターで発売。
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