「ギャンブル映画を観れば、くじ運を上げることができるのか?」
2020年。コロナで派遣切りに遭い、数カ月は貯金を切り崩しながら生活していた筆者は、寝ても覚めてラクしてお金を稼ぐことを考えていました。
そんな中、ポッと思いついたのがギャンブルです。酒もタバコもギャンブルもやらない筆者にとって、ギャンブルはほぼ未知の存在でした。くじ運もないし…。
そんなとき、前回書いた「ボクシング映画を観続ければ、人は強くなれるのか」の記事を思い出しました。
仮に願掛けやまじない的な方法でくじ運を上げられたらどうだろう…。
というわけで、今回は「ギャンブル映画を観れば、くじ運を上げることができるのか?」を検証していきます。金持ちになっちゃうぞー!
【検証方法】
1. ギャンブル映画、およびギャンブルを題材にした映画を鑑賞する
2. 作中で登場する願掛けの方法や、ギャンブルに対する心構えを会得する
3. 会得した“くじ運UP方法“を実践できそうなギャンブルを選ぶ
4. 当月得た原稿料すべてを賭けて検証。その増減を確認する。
今回はかなり行き当たりばったりのスタートなので、検証までに約半年かかっています。だいぶ長いですが、お付き合いいただけると幸いです…。
~1月~
ギャンブル映画を観てくじ運を上げると決めたものの、どんな作品を観るのか、どのギャンブルに挑戦するのかも決めていない状態。
ギャンブル映画の中にはポーカーやスロットをテーマにしたものから、競馬、スポーツ賭博など細かいものも多数。さらに実録ものやカジノ経営する人間を描く映画まで…。この中から、自分でもできる「くじ運UP方法」を行っていそうな作品をチョイスします。(基準があやふやすぎて不安いっぱい)
ちなみに『賭ケグルイ』や『カイジ』も鑑賞したのですが、これらはギャンブル映画というより「独自のゲームを攻略する頭脳戦」という印象が強かったので除外しました。極端な話「目をつむっていたら大金が懐に入ってきた」くらいのイメージでラクしたいので…すいません…。
ギャンブル映画No.1『ワイルド・カード』
1本目はジェイソン・ステイサム×ギャンブル映画。ステイサムがマフィアをぶちのめすアクション映画かと思ったら、クソみたいな人生を抜け出すきっかけを探す男のドラマ映画でした。
しかしその方法がマフィアを倒すだけでなく、ギャンブルで人生再出発の資金を稼ぐというズルズルな計画。ギャンブルをしない人からすれば当たり前のことを、ステイサムがメチャクチャ渋い顔で語るシーンが見どころです。作中では「肩が重いからツキがついてきた」と話す場面があり、くじ運を上げるなら肩こりをしたほうがいいのか…ということを学びました。
ギャンブル映画No.2『ワイルド・ギャンブル』
『デッドプール』でおなじみのライアン・レイノルズが凄腕ギャンブラーとして登場するロードムービー×ギャンブル映画。旅の相方となる男は借金をしてまでポーカーに興じる典型的なギャンブル依存症。かたやライアン・レイノルズは百戦錬磨の勝ちっぷり。彼から飛び出すセリフはありがたいお言葉ばかりで「ギャンブルをゲームと思うから負ける。勝ちにいけ」「(勝負に)自信のないやつは猫背になる」など、実践的な願掛けワードがビュンビュン飛び交っていました。
ちなみにポーカーに勝つために、読心術のCDを聴くのはおすすめしないそうです。
~2月~
ギャンブルを勝負事と思うことが大事だと学んだ筆者は、より勝率を上げるために手相占いをしに行きました。さすがにストレートに「くじ運…」と聞くのは気が引けたので、普通のコースで占った結果、分かったことがこちらです。
◎4.5月は新しいことしない方が良い
◎クリーム色、茶色がラッキーカラー
◎先祖にめちゃ守られている。墓参りすると吉
◎家にいるより出かけたほうが良い
◎生命線が長すぎて若干引かれる
…聞いてみたはいいものを、これをどう実践に活かすのかが課題となりそうです。とりあえず長生きはできそうなので安心しました。
ギャンブル映画No.3『モリーズ・ゲーム』
今回はカジノを運営する人間を描いた実録ドラマを鑑賞。本作は元プロスキーヤーがケガで引退したことを機にカジノ運営を始める、ぶっ飛んだ実話に惹かれました。そして運営側ならではの着眼点もしっかり描いており、「“負けを取り戻す”はギャンブラーにとって最期の言葉」「ポーカーは運じゃなくスキルがモノを言う」などの発言も。実際多くのギャンブル映画において、「カードゲームは運ではなくスキル」と言われています。
主人公・モリ―はギャンブルの現場を見ながらルールや知識をメキメキと付けていきます。やはり知識と情報がモノを言う世界か…。ちなみに作中で「連邦法1955条曰く、ギャンブルは運のゲームに賭けること」と解説していたので、今回検証するギャンブルからカードゲームを除外することにしました。
~3月~
検証するギャンブルを考えている中で、2月にあのソシャゲがリリースされました。
ウマ娘です(未だに「うまこ」って読んでしまう…)
ミーハーな筆者は記事に話題性を持たせるという浅はかな考えから、検証するギャンブルを競馬にしました。しかし知識はゼロ。今からどこまで学べるのかがミソです。
3月はポーカーやブラックジャックを題材にした作品を鑑賞。どちらもギャンブルというよりスキルをフル活用する内容だったので、あまり参考になることがないかと思いきや…。
ギャンブル映画No.4『ラスベガスをぶっつぶせ』
ブラックジャックをカードカウンティングと呼ばれる高等テクニックで勝ちまくり、金を稼ぐ大学生たちを描いたサスペンス映画。このカードカウンティングが方法も説明するのもすごく難しいのですが、違法プレイヤーを監視しているローレンス・フィッシュバーンもこのテクができるという。そのおかげで主人公たちのイカサマを見抜きくのですが、なんか異能力バトル漫画の展開みたいでカッコいいです。
本作では主人公たちの青臭さに対し、つねにロジカルで指示を出すケヴィン・スペイシーからの名言が多数。ギャンブルは感情的になりがちですが、常に数字で考えることを徹底させ、大学生たちには「賭け」ではなく「(自分たちの決めた)ルールに従ってゲームをする」ことを徹底させます。成功者から「感情的になって自滅するのはNG」だと言われると、逆に説得力が増します。
ギャンブル映画No.5『ランナーランナー』
こちらも大学生が学費を稼ぐためにネットでポーカーをしたら、システム側の不備によって学費も貯金もスってしまい、わざわざ運営者に文句を言いに行くストーリー。しかしその不備に気づけた能力を買われ、運営側に回ったことで通学がアホらしくるほどのお金持ちになり…。
あまりくじ運を上げる情報はありませんでしたが、やはり運営のトップ役を演じたベン・アフレックはクズを演じるのが上手です(何の感想?)。フィクションなので何とも言えませんが、やはりギャンブル業界は深入りすると怖いという気持ちが植え付けられ、今月観た2本だけでギャンブルにハマるのはやめよう…と思いました。
~4月~
この月に見た映画はかなり癖が凄くて、いろんな意味でヤバかったです。
ギャンブル映画No.6『アンカット・ダイヤモンド』
アダム・サンドラーと『神様なんかくそくらえ』のサフディ兄弟によるギャンブル映画。主人公があらゆる人生の問題をギャンブルで解決しようとして失敗し、金だけでなく人の信頼も失う圧倒的“しくじり先生”映画です。主人公から学べることは「俺みたいなギャンブル狂になるな…」ということばかり。
ちょっとツキが向いてくると人にベラベラ自慢したり、金の話になると途端に人に興味が無くなったり…。もはや主人公と真逆のことをすればくじ運も信頼度も上がるのでは…と思えるほど。ただしバスケの試合でギャンブルをする場面は、賭け事に興味のない筆者でも手に汗握る展開でした。これはこれですごい。
ギャンブル映画No.7『アンディ・ラウのカジノタクーン』
タイトルから醸し出されるゴリゴリのギャンブル感に反して、実際の内容は「恋愛:4 極道:4 ギャンブル:2」くらいでした。カジノ要素は途中の数分とラスト2,30分くらいで、ほとんどはアンディ・ラウがヒロインとピュアな恋を育んだり、裏切り者の耳や小指が切り取られたりする展開を行き来します。まるで極道映画とスイーツ映画を交互に流し込まれるような感覚…。
アクションシーンもキレキレ。後期高齢者で裏社会のボスが拷問を受けるシーンでは、まるでアクション俳優張りに高速スピンして吹っ飛びます。ラストのカジノパートは「銭ゲバ」並みに人間の闇が全力で描かれて怖いです。1時間前はラブコメみたいにキャッキャウフフしてたのに…。これまで観たギャンブル映画の中ではダントツ面白かったです。
(全然ギャンブルと関係ないうえに知能指数が低い合唱シーン)
~5月~
映画も観た。ギャンブルも決めた。ウマ娘もやった。残すところはどんな願掛けをして検証に挑むか…。
まずは今回観たギャンブル映画の中から、競馬で活かせそうなポイントをまとめてみました。
① 肩が重いとツキが付いている(ワイルド・カード)
② ゲームと思うな。勝ちに行け(ワイルド・ギャンブル)
③ 情報は大切 ルールを知れ(モリーズ・ゲーム)
④ 賭け事は熱くなるな。理性を持て(ラスベガスをぶっつぶせ)
⑤ 賭け事のことをべらべら人に話すな(アンカット・ダイヤモンド)
①に関しては慢性的に肩が凝っているのでクリア。②については勝率を上げるために占いもしました。③に関しては、限られた期間でどれほどの情報を得たのかがポイントになります。
そもそも馬券の種類はおろか、買い方すら知らない…。JRAの公式サイトをチェックし、緊急事態宣言も出ていることから、今回はネット投票型の「即PAT」で馬券を購入することに。
この即PAT、対象の口座と連携さえすれば、マジで3ステップくらいで簡単に馬券が購入できるので怖いです。(一応購入制限は設けられている)
馬券の種類も②の「勝つこと」を重視し、ビギナーでも比較的当てやすい「複勝」「馬連」などを中心に購入。しかしこれではオッズが少ないので、シンプルに「単勝」も購入します。
占いでは「4,5月に新しいことをするのは避けよ」とのことだったので、検証に入る前に500円前後でデモンストレーションを行いました。この段階では地味に黒字化に成功しています。牛丼くらいは食えそう。
問題は数あるレースの中で、どれに賭けるのか…。そんなある日、パンツ(ズボンではない)に穴が開いたのでZOZOTOWNで購入したら(なぜか)5月30日に開催される「日本ダービー」の広告が入っていました。これだー!
というわけで、今回の検証は日本ダービーで先月分の原稿料をほぼ全額(25,000円)ぶっこみます。
~5月30日~
検証当日。当日出走する馬の名前も注目株もよくわからないまま、この日を迎えてしまいました…。頼れるのは映画で身に付けた知識のみ。何度も言いますがギャンブルはほぼ未経験なのに、ガチで映画だけ見て25,000円を即PATします。怖ぇー!
占いで「出かけると吉」「ラッキーカラーは茶色とクリーム色」と言われたので、そういう色の服装で近所の公園に行って馬券を買うことにしました。
⑤賭け事のことをべらべら人に話すなと『アンカット・ダイヤモンド』でも学んだので、奥さんにも「散歩に行く」とだけ告げて家を出ました。この時点でかなり罪悪感が凄い。
馬券を購入
25,000円は以下のような配分で購入しました。
・単勝:10,000(2,000×5)
・複勝:10,000(5,000×2)
・馬単:500(100×5)
(算数が苦手なので、このメモを参考に購入して「あれ?お金余るじゃん…」となりました。余った分の購入はメモしていないという…)
ハイリスクハイリターンの馬券には3ケタ、逆は4ケタでベット。今回観たほとんどの映画は「大金賭けたら爆当たりしたぜー!」という内容がなく、むしろ「理性を失ってまでギャンブルするな」というメッセージ性の方が強かったため、馬券をなるべく複数購入してリスクヘッジをしています。
しかしここにきて問題が発生。外が暑い。次第に集中力が切れてきて、適当に馬券を購入しだす筆者。次第にオッズではなく、強そうな馬の名前で馬券を購入する始末…。先月の原稿料を全部つぎ込んでいるのに、ネット購入ではその実感も直ぐに消え失せ、まるで事務作業のように馬券を買い続ける自分が怖くなっていきます。
購入してからも「汗水流して稼いだ原稿料を一瞬で使った」「妻に黙って馬券を買った」など、あらゆる罪悪感が押し寄せてきます。遅めの昼食で食べた松屋の牛丼も、動揺して味がよくわかりませんでした。競馬場にいないこともあり、ギャンブル特有のスリルやドキドキ感は皆無…。つくづく自分がギャンブルに向いていない性格だなと痛感し、結果発表の時間を待ちます。
気になる検証結果はこちら!
「即PAT」で馬券を購入した場合、的中しても通知が来ることはなく、確認を兼ねて「出金依頼」を行います。的中していれば口座に当選金が振り込まれ、ハズレていれば何もなし…。震える指で「出金依頼」を押します。果たして結果は…!
25,000円が23,440円(ー1,560円)になりました。
‥‥うーん…なんというか、うーん…。正直このくらいの損失なら、いっそ全額溶かして「もうギャンブルはこりごりだよ~涙」みたいなオチのほうがまだ面白かったような気がします。面白いってなんだ。これくらいの損失なら、この記事の原稿料でカバーできるし…。うーん…。
ちなみに何が的中したのか調べたところ、11Rの単勝・シャフリヤール(2,000円ベット)だけが的中していました。あぶねー!これは一周回ってくじ運上がっているのでは??やっぱギャンブル映画は観たほうがいいですね!(必死)
動画で確認したらめちゃくちゃ接戦でした(特にラスト)。これはリアタイで見ていたら興奮しただろうなあ…。
【結論】
ギャンブル映画を観ると、くじ運が上がる以上に損失から守ってくれる。
皆さんはこの記事を読んでギャンブルをやってみたくなりましたか?私はしばらくナシで大丈夫です!!!それでは!!
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