【再見再考】ターミネーター【ウルトラスーパーマスターピース】

デデンデンデデン デデンデンデデン……

ムービーナーズ読者の皆さん、死にたくないならついてこい!始条 明(しじょう・あきら)です。
タイトルだけは誰でも知ってる超絶大傑作を改めて観てみよう、という本連載『再見再考!ウルトラスーパーマスターピース』第四回は……ジェームズ・キャメロン監督、アーノルド・シュワルツェネッガー主演『ターミネーター』(1984)!

1984年のある夜。閃光とともに現れた筋骨隆々の男(アーノルド・シュワルツェネッガー)は服や銃器を強奪し、”サラ・コナー”という名前の女性を次々に射殺していく。
ウェイトレスとして働く女子大生サラ(リンダ・ハミルトン)にその魔手が迫った時、襲撃者に続いて現れた若い男、カイル・リース(マイケル・ビーン)が彼女を救った。彼は未来からやってきた兵士で、襲撃者は”ターミネーター”と呼ばれる殺人サイボーグであると語りはじめる……

1だよ!!!!!!

そう、1です、1。『ターミネーター』の。いないか?「『T2』しか観てなくて……」って人。いても全然いいんですけども。テレビでもよくやってたし。

ていうか『T2』って『K2』みたいですね。『スーパードクターK』読んでなくてもチョー面白いもんな〜〜。しょうがないか。

なんの話だっけ。そう『ターミネーター』!関西出身の方とかは、USJにあるアトラクションでもおなじみの……あれも『2』モチーフやないかい。綾小路麗華さまが出てくるやつな。あの人、べつに映画には1ミリも出てこーへんけども……。

と まあ……メチャ有名になったきっかけが『2』だと、逆にちょっとマイナーになっちゃう『1』、往々にしてあると思うんです。『シュタインズゲート』に対する『カオスヘッド』とか、『ペルソナ』に対する『女神転生』とか……これはちょっと違うか。

で じゃあ『ターミネーター』。撃っても轢いても爆破してもどこまでもついてくる殺人マシン、人類の運命を賭けた戦い、時空を超える愛の物語……まあ〜〜〜〜面白い。しかも上映時間108分。コンパクトというか、もちろん未来に生きる我々は続編があることを知ってはいるんだけど……起承転結、一本でキッチリ面白くまとまったSFアクション映画になってます。

なんたって”ターミネーター”が怖い!!!エポックメイキングな存在ですよね。目が赤く光る超合金のガイコツロボ……も もちろんなんですが、やっぱり筋肉モリモリ、長身で無表情、上げた髪にゴツいサングラスと革ジャンのアーノルド・シュワルツェネッガー(すごい名前!)

たまに「演技がイマイチだった当時のシュワを逆手に取った」なんて言われますが、いやいや大間違い。あの唯一無二の佇まい、ドッシリと響く声、無機質な中に執念を感じさせるあの表情あってこその、映画史に残る名キャラクターですよ。

(人間の形だけど)モンスター映画の傑作としては、剥がれた人工皮膚をえぐりながら自分を修復するサイボーグの特殊メイクや造形……そしてなんと言っても“特撮”技術がスゴい。現在も門下生たちが超第一線(MCUとか)で活躍する巨匠スタン・ウィンストンが初期に手がけたのがこの『ターミネーター』。まだまだCGの実用化には乏しい時代にありながら……だからこそ「え コレ実物でやってるよね!?」のスゴさが光る光る。

ジェームズ・キャメロンが高熱にうなされながら見た悪夢から生まれたという、炎の中から這い出てくる金属の死神……とうとう正体を表したターミネーターが追いかけてくるこの場面、ストップモーション(コマ撮り)で表現されてるんですが、ここがもうマジ怖え〜〜〜〜の。映像全体のぎこちなさというか不自然さというか、明らかな”異物”が入り込んでいる感覚。まさしく夢に出てくる怖さ。

リンダ・ハミルトン演じるヒロインは、いま観ると……まあ古いな……というか、叫んで逃げ回って主人公に守られて、みたいな、いわゆる”アクション映画のヒロイン”。終盤はたくましく成長していって、それが続編の『T2』から、2019年の『ニュー・フェイト』まで続く最強の”サラ・コナー”像へと繋がってはいくんですけどね。

あとそう、カイル・リース!!!みんなサラ・コナーとかターミネーターは大好きだと思うんですけど……カイルのこと、忘れてない!?

カッコいいんですよカイル。吹き替えも(いろんなバージョンあるけど)宮本充さんだし。一見すると細身の優男ふうなんだけど、どこまでも追いかけてくるターミネーターに容赦なく反撃してサラを守るたくましさ、自分の時代には帰れず味方も望めない状況でも任務をやり遂げるまっすぐさ。こりゃあ〜〜惚れますわ。

個人的には冒頭、警官から逃げながら逃走用のスニーカーを入手するとき……足の裏に当ててサイズを見るシーンが好きです。マネしたくなっちゃう。

さて 映画は時代を映す鏡、といいますが……特に、ホラー映画やモンスター映画における”恐怖”の対象の描き方には、撮られた時代にじんわりと滲む”恐怖”が表れるもの。この『ターミネーター』においては、やっぱりコンピュータやネットワーク、そして冷戦を背景とした”核戦争”への恐怖でしょうか。

核の炎の中から現れた無慈悲な殺人マシンや、それを統括する”スカイネット”の恐怖……は、しかし人間が作り出したもの。扱う者がまだまだ未熟なのに、過ぎた力を作り出しては振り回されてしまう人間の愚かしさといえば、現代でも通用しすぎるくらいのテーマです。

読者諸賢もAIには……というか、AIを使いこなせず振り回される人間には……気をつけよう!な!ホントに!

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