2006年にデビューし、2枚のシングルと1枚のアルバムをリリースした、伝説のカリスマミュージシャン『ノリアキ』のプロデュースをはじめ、『スカイフィッシュの捕まえ方』シリーズや『人の怒らせ方』シリーズなどの映像作品で知られる古屋雄作監督。
最近、巷ではまたノリアキが注目されているようなので、併せて他の古屋雄作監督作品も紹介する。
ノリアキとは
このように、「ノリアキはカリスマミュージシャンであるという体」で、ノリアキこと高橋 典彬氏をミュージシャンとしてプロデュースしたのが『ノリアキ』という企画である。
当時からのファンの意見やYoutubeのコメントを見てもノリアキを「リアル」だとするものが多く、つまり視聴者も共犯者関係にしたモキュメンタリー作品なのである。
楽曲や、アーティスト「ノリアキ」の背景が網羅できるDVD「カリスマ道 ミュージシャン・ノリアキ 〜The Real Face〜」を観ればわかるはずである
ノリアキがリアルだということが…
『ノリアキ』の前作「人の怒らせかた」/「スカイフィッシュの捕まえ方」
「人の怒らせかたシリーズ」をYouTube等動画サイトで観たことがある方も多いのではないだろうか?
ノリアキも演者として出ている。
2006年『温厚な上司の怒らせ方(2006年)』、2007年『一番大切な人の怒らせ方』
これらの作品が話題となり、知名度が増した「古屋雄作監督作品」だが、「怒らせかた」シリーズ以前にリリースしていた『スカイフィッシュの捕まえ方』はUMAの一種である「スカイフィッシュ」を実在の生物として「捕まえ方」をレクチャーするHow Toものという異色の映像作品である。
こちらも独特な作品で、スカイフィッシュ漁師たちの割と真剣な演技やスカイフィッシュ漁に用いるオリジナルの道具「もごし」等のディティールに思わず笑ってしまう。
「ノリアキ」や「怒らせ方シリーズ」が気に入った方には非常におすすめの作品だ。
【シルバー×フェイクドキュメンタリー】隠れた名作『R65』『R66』
シルバー世代を主役に据えたモキュメンタリー作品の『R65』、『R66』
漫画雑誌の編集や、デザイナーなど実在の職業につく高齢者の姿を描くと同時に、オーラで街を活気付かせる「派手士」等の架空の職業も登場させつつ、シルバー世代の奮闘を描く傑作モキュメンタリー作品である。
作品の概要を知らずに観たら一瞬本物と信じてしまうような絶妙なリアリティーと荒唐無稽さが同居する非常に面白い作品になっているためぜひ一度ご鑑賞を。
また、『R65』の一編に、構想40年の末に、独自の定型詩「うんこ川柳」を開発した孤高の文学者・武蔵寛の回が存在する。
オリコンによる週間本ランキングの総合部門にあたるBOOK部門で、学習参考書としては初となる総合1位獲得するほどの大ヒットとなった『うんこ漢字ドリル』
元々は「うんこ川柳」を書籍化する流れで進行していた企画が紆余曲折を経て開発されたものなのである。
『R65』収録作品の中で一番荒唐無稽でフィクション感の強かった「うんこ川柳」がベースになった商品が現実で受け入れられたことには当時本当に驚いた。
このように、商品開発におけるヒットメーカーでもある古屋雄作氏。
最新作『マグマイザー』ではAV俳優をエネルギー源にしたヒーローという常軌を逸した設定の特撮ドラマを監督している。


荒唐無稽な設定ながら、バディものに近い形で妙に熱い
子供向け教材からモキュメンタリー、バラエティ、特撮とマルチな才能を発揮する古屋雄作監督。
この機会にぜひノリアキ以外にも触れてみてはいかがだろうか!
最後に、ノリアキの名曲「だれかおれをすきになれ」で閉めよう。
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2006年3月に1stシングル『デビュー/unstoppable.』で衝撃のデビュー。「unstoppable」ではノリアキの地元である山形仕込みのラップを披露。日米の有名ラッパーを実名でフェイクと痛烈にdis。閉塞しきった日本の音楽シーンに風穴を開けた。
数々の伝説を残したノリアキだが、2009年8月活動休止を発表。その後、表舞台には立っていない。