Sweet Home -俺と世界の絶望-レビュー/モンスター・クリーチャー好き必見!多彩なバケモノが暴れまわる籠城系ホラー!

Sweet Home -俺と世界の絶望-

あらすじ

残忍な怪物に姿を変えた人間たちが暴走し、地獄と化した街。辛い過去をもつ高校生、そして同じ建物の住人たちは、生死をかけた戦いに否応なく巻き込まれていく。

NETFLIXにて配信中の『Sweet Home -俺と世界の絶望-」(全10話)。
人間がバケモノに変異する原因不明の症状が国中に蔓延する中、主人公は同じマンションに住む住人と協力して生き延びるというパンデミック系籠城ホラー作品だ。
原作は韓国のコミックで、日本ではローカライズされたものをLINE漫画にて読むことができる。

NETFLIXオリジナルの韓国産ゾンビ映画として『#生きている』が9月に公開され話題となったことは記憶に新しい。
こちらはゾンビパニックが起こる中、自室に籠城しドローンなどの機器を利用することで状況を打開しようとする目新しさがあり好評を博した。

同じく韓国産の籠城系ホラーとしてリリースされた本作『Sweet Home -俺と世界の絶望-」にはそうした目新しさは少なく、こうした題材の作品に慣れ親しんでいる人ほど「どこかで観たことのある」展開が続く。

しかし、本作の見所は何と言っても多種多様のモンスターが大暴れする様であり、モンスター・クリーチャー好きに特にお勧めしたい作品となっている。

登場モンスターの一部を紹介

©︎2020 NETFLIX

はじめは普通のゾンビタイプが登場し、「ゾンビが基本かぁ〜」と油断していると、息つく間も無く続々と新手のバケモノが押し寄せる。ここではその一部を紹介しよう。

©︎2020 NETFLIX

全身が縦に長く、裂けた口、肥大化した舌が特徴のおじさん。
彼は舌をビュンビュン振り回し人の体液を啜るおじさんだ。

©︎2020 NETFLIX

顔半分が無いため目が見えないおじさん。彼は視覚を失った分、聴覚が異常に発達している。
「見えない」と言いながら歩き回る少しかわいいおじさん。

©︎2020 NETFLIX

クソデカ目玉。

©︎2020 NETFLIX

筋肉おじさん。全身の筋肉が異常に発達した彼は、人間の子供を「プロテイン」と呼び執拗に追いかけてくる非常に悪質なおじさんだ。

これらが序盤で活躍するモンスターだが、話が進むごとにまだまだ個性的な連中が登場する。
中盤登場する高速移動タイプのモンスターがクロックアップのようなスピードで迫るシーンなどぜひ実際に観て確かめてほしい。

本作のモンスターは人間が変異したものであり、収入が少なく食費を節約しているお姉さんがゾンビタイプに変化する描写が挿入されることで、元になった人間の欲望が強く反映された姿や能力になっていることが分かる。
登場するモンスターはどんな欲望がきっかけでその姿になったのかと、デザインから想像が膨らむ楽しさがある設定だ。

本作の制作には、アベンジャーズやゲーム・オブ・スローンズ、ストレンジャー・シングスなどの制作に携わったレガシー・エフェクツ(Legacy Effects)等著名なVFXスタジオのデザイナーが加わっており、上記のモンスターのグロテスクかつコミカルな造形・挙動を非常に高いクオリティで描いている。

ゾッとするようなホラー演出、コミカルなキャラクター性、派手な立ち回りと多様な見せ方を楽しめるモンスターが本作の比較的平凡なプロットを盛り上げる一助となっている。
さらに本作は、人間のキャラクターの描き方によって、独特の雰囲気を持つ作品に仕上がっている。

リアリティとコミック的描写の揺らぎが面白い

前述の通り本作はコミックが原作となっており、実写化に際して一部キャラクター設定の変更や原作にいないキャラクターの追加などが行われている。

『Sweet Home』LINE Digital Frontierより

原作では主人公はアニメが好きであり、オタク気質の強い描き方がされるが実写版ではその設定は大部分がオミットされ、同様に別なキャラクターのゲーマー設定も完全に消滅していた。

暴力描写が激しい実写版において、ハードな描き方に合わせて原作から設定を変更している点が理解できるが、そうした中、何故か原作とほぼ同じ設定で登場するコミカルなキャラクターも存在する。

©︎2020 NETFLIX

非常に物腰が柔らかく敬語で話す、敬虔なクリスチャンである元アル中の教師。そして刀の扱いがめちゃくちゃ上手いという非常に漫画的な設定のキャラクターがほぼ原作準拠で実写化されており驚いてしまう。

『Sweet Home』LINE Digital Frontierより

さらに、原作に登場した「改造屋」のおじさん。
モンスターに対抗する武器を作ってくれる、同じマンションに住む住人として「普通おらんやろ」というこちらも非常に漫画(というかRPG)的な設定のキャラクターだが…

©︎2020 NETFLIX

実写化!!

このおじさんがいないと主人公は闘えず詰んでしまうため、必要な存在ではあるものの、原作準拠で実写化されたことにこちらも驚きを隠せない…

全体的にダークでハードな描写も多い作品に、こうしたコミカルなキャラクターが登場することで、独特な作風に仕上がっていると感じた。
バケモノが大暴れし、一方で設定盛り盛りの教師が刀で大立ち回りを演じる描写にノれる人はかなり楽しめる作品だと思う。
ハードでダークな雰囲気を基調にしつつも、どこかコミカルなキャラクターがクセになる本作『Sweet Home -俺と世界の絶望-」はNETFLIXにて配信中。

カテゴリー